ドメインの引っ越しで影響は?3つの移行方法を同時に試した結果:301(.htaccess)リダイレクト・html(canonical)【サイト移転SEO】

独自ドメインを2つ取得(A・Bとする)し、運営していた3つのサイトを引っ越しさせてみました。2つのサイトはドメインAとそのサブドメインに移行、残りの1サイトはドメインBへ移行、というかたちです。

サイト移転はSEOへの影響がとても大きいようなので、いろいろと調べてみました。とりあえず定番のものとしては、301リダイレクトか、canonicalタグを使用するのが妥当なようです。

301リダイレクト(.htaccess)

ドメインの引っ越し・移行でSEOを意識するなら、一番確実なのが301リダイレクトのようです。SEOへの悪影響が最も少なく、且つGoogleも推奨しているとのことなので、可能ならば301リダイレクトを設定しサイト移転を行うべきでしょう。

301リダイレクトの設定方法

301リダイレクトで必要なのが、「.htaccess」というファイルです。元からサーバにあればそれを使ってもいいですし、なければメモ帳で作成します。サイト全体を引っ越しするなら記述は簡単で、『Redirect permanent / 転送後のURL/』と一行書いてから移転元サイトのサーバーへ放り込むだけです。

これだけで、旧サイトのどのページにアクセスしても、新サイトの同ページに自動で飛ばしてくれます。

ただし「.htaccess」のルールとして、ファイル名に必ず「.」を付ける、記述後は必ず改行するというのが重要なようです。FC2サーバーなどのように、「.」を付けたままアップロードできない場合は、まず「htaccess」というファイル名でアップロードし、後で「.htaccess」に改名すれば問題ありません。

例えば「http://www.new.jp/」へドメイン移行するなら、以下のように記述します。

Googleウェブマスターツールとの連携

301リダイレクトはGoogleが推奨していることから、「Googleウェブマスターツール」とも連携できる仕組みになっています。Googleウェブマスターツールを活用しているなら、こちらでも設定しておけば正攻法としては完璧です。

設定はとても簡単。旧サイトのSearch Console右上にある歯車のボタン(オプション)から「アドレス変更」を選択すれば以下のような項目がでてくるので、順番にクリアしていくだけです。

送信が済めば「送信完了」と表示され、ドメイン移行が正式に完了します。

HTMLタグ:canonical

無料ブログやサーバーによっては301リダイレクトが使えない場合があります。そんなときに、何もしないよりマシといわれているのがカノニカルタグ(canonical)です。canonicalとは、正規のURLを指定する場合に使うHTMLタグのこと。例えば「http://www.new.jp/」にドメイン移行するなら、移転元サイトのヘッダー内で以下のように記述します。

これで、移転元のどのページにアクセスしても新サイトの同ページへ自動転送します。ちなみに「content=”0;」は飛ぶまでの待機時間を指します。0の場合は、アクセスした瞬間に一瞬で新サイトへ飛びます。待機時間を0にするとSEO的にペナルティを受けるリスクがある、という噂もありますが、自分の場合はあえて0にしてみました。

何はともあれ、ドメイン引っ越しの際にこのcanonicalタグを記述することにより、何もしないよりはSEO効果があるといわれています。

ドメイン引っ越し3つの方法を試した結果

ページ数が多いサイトはSEOへの影響が特に大きそうなので301リダイレクト、それなりにページ数があった無料ブログをcanonicalタグ、そしてページ数の少なかったサイトはそのまま移転してみました。そのままというのは、新ドメインへ中身をアップロード後、移転元サイトをただ削除しただけということです。

これら3つのドメイン引っ越し方法、それぞれのSEOへの影響について、その結果を検証していきたいと思います。現在、ドメイン引っ越し後から3週間程度です。またSEO的な変化が現れたときに内容を更新するかもしれません。

1.301リダイレクト(.htaccess)で引っ越し

FC2ホームページから独自ドメインへ移行したサイトの例です。「.htaccess」で301リダイレクトを設定し、さらにGoogleウェブマスターツール上でアドレス変更の手続きを行いました。

その結果、3日程度経った頃から徐々に、検索結果で移転先サイトの新URLが表示されるようになっていき、それに反比例して旧サイトのアクセス数が減少。全体的に検索順位はガタ落ちで、なかには一気に圏外へ消えたページも多数。しかし検索順位をほぼ引き継ぎ、そのまま維持しているページもありました。

ちなみに、移転元サイトのページをどのタイミングでサーバー上から削除すればいいのかよくわからず、念のためしばらく放置していました。

一週間ほど経過し、まだ主要なページの8割以上がなかなか回復しない原因は、移転元サイトと競合しているせいかもしれないと思い、このタイミングで旧サイトを一気に削除。

もちろん、「.htaccess」ファイルだけは残したままです。過去にSNSなどでシェアしてもらったリンクも絡んでくるので、「.htaccess」は可能ならずっと残しておいたほうがいいらしいです。

旧サイトを削除するとほとんどのページが一気に検索順位を回復しましたが、それとは逆に、上位を維持していたのに突然圏外へ消えるページも。この違いは何なんですかね…。しかしそれも一時的で、2週間ほど経過した頃には検索上位に返り咲きました。

301リダイレクトによるドメイン移行では、一時的にダメージを受けつつも、2週間程度で回復という結果になりました。

2.カノニカルタグ(canonical)で引っ越し

FC2の無料ブログからサブドメインのワードプレス(WordPress)へ移行した例です。301リダイレクトが使えなかったので、移転元ブログのヘッダーでカノニカルタグ(canonical)を設定し、放置してみました。

結果としては、3週間経過した現在でも全く回復していません。検索順位はガタ落ちで、まぁほぼ新規投稿したみたいな状態になっています。移転先ワードプレスで、あえて各記事に新たにパーマネントリンク(ファイル名のようなもの)を設定したので、その影響だと思います。

canonicalタグでドメイン引っ越しを行うなら、例えば移転元ブログで「http://www.old.jp/post01/」だったのなら、移転先でも「http://www.new.jp/post01/」のように、「post01」の部分を同じにしないと意味がないということでしょう。

3.そのまま引っ越し

無料レンタルホームページから独自ドメインへサイトを移転した例です。移転元サイトをただ削除し、ウェブマスターツールからも抹消。内容はほぼ同一のまま、新たに新サイトを立ち上げただけです。

記事がインデックスされるのにとにかく時間がかかり、未だに3割ぐらいが検索エンジンにインデックスされていません。canonicalタグでの引っ越しよりも明らかに遅いです。試してみた3つの方法のなかでは、やはり最もおすすめできないドメイン移行法でしょう。

おそらく、ネット上に旧サイトの痕跡が残っている限り、新サイトはマイナスの影響を受け続けます。何らかの理由でこの方法を選択するなら、移転元のサイトを完全に削除する処理をしてからでないと、著しくマイナスになってしまいます。

まとめ

SEOを意識したサイト移転・ドメイン引っ越しをするなら、301リダイレクトがSEOに最も有効という結果になりました。Googleが推奨する正規の方法なので、当然といえば当然かもしれません。ただ、canonicalタグも微妙に手応えはありました。同一のファイル名やパーマネントリンクをきちんと設定すれば、しっかり効果がでている事例もあるようです。

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